歯付プーリのフランジ外れについて
ベルトが蛇行し、プーリのフランジ(かしめ)が壊れました。フランジが壊れるほどの力が発生する原理を教えて下さい.
ベルト製作などの不具合により,実際に周期的な蛇行は生じますが,蛇行のファクターを特定して理論的に蛇行量やそのことによる軸方向力などを求めることは困難です.種々のファクターが特定できれば,理論的に蛇行の挙動を求めることは可能ではないかと思われます.ただし,過去にそのようなことが研究された文献はありません.
ベルトの片寄り(蛇行も含む)は,抗力Fによって発生しているのではなく,プーリの回転とともにかみあい始めにおけるベルトの進入角によって軸方向にベルトが移動することによって発生していると考えられます.抗力Fは,ベルトがプーリに巻付いている間で何らかの力が作用したとき,軸方向への移動を抑制する力です.今,片寄り力を\sum Qとすると,F\sum Qのとき,プーリ上でベルトはスライドしないだけで,片寄りはかみあい始めからピッチ毎に進行することになります.従って,片寄りが発生している場合,\sum Qがフランジに作用する軸方向力であり,Fの力がフランジにかかっているということではありません.
一般的に,プーリへのフランジ取付は,それなりの強度を有しています.このため,\sum Qによってフランジが外れることは考えにくく,片寄りが原因ではなく,相当な軸方向力が何らかの原因で作用したことによりフランジが外れたものと考えられます.例えば,急激な負荷変動,共振や急加減速などの振動,プーリのミスアライメントなどにより,かみあい始めからベルトがフランジに乗り上がりを発生し,大きな軸方向力の作用によりフランジが外れたのではないかと思われます.また,コンベヤ用途においては,搬送物が幅方向に対して片側に偏って載る場合,あるいは軸やフレームがたわむ現象が発生する場合には,ベルトの片寄り力を増幅する原因の一つとなります.
その他,フランジが外れる要因としては,一般的にカシメ方法が悪く外れるケースもあります.カシメ方法に懸念がある場合は,フランジをボルト締めする方法や,溶接などによる締結,カシメ数を増やすなどの方策も一例としてあります.