歯付ベルト心線の疲労破壊
日本語題目歯付ベルト心線の疲労破壊
英語題目
著者名飯塚博,堤慎哉,渡辺一実,真下智司,大迫信隆
掲載情報日本ゴム協会誌 Vol.68 No.8, pp559-566, 1995
要旨

歯付ベルトの損傷機構解明を目的として, 心線およびその近傍の変位量の測定と, 心線の疲労試験を行った. 用いた歯付ベルトは丸歯STPD形である. ベルトがプーリとかみ合う際に, ベルト心線およびその近傍には, 屈曲, 圧縮およびせん断の各変位が発生した. 次に, その屈曲とせん断の各変位量をベルト1ピッチ間で測定したところ, それら変位の大きく生じる位置と, ベルト損傷の著しい箇所が一致した. また, 心線の疲労試験を行った結果, ベルト走行中に心線内部に発生する損傷形態は, 屈曲疲労試験によって生じる形態と一致した. すなわち, 心線の破損はおもに屈曲の繰返しで生じることがわかった. 更に, 心線内部の損傷機構について検討した結果, 損傷の発生にはある程度以上の曲率を持った曲げと, その曲げを元に戻す変形の繰返しが最も大きく影響することがわかった.

キーワード
論文集への収録あり
ベルト伝動技術論文集2007