Vベルトの削れについて教えて下さい
小型集塵機用にラップドVベルトを使用しています。約3か月使用し、サイドが削れプーリーに食込み空回りします。ベルトがプーリーに合っていないのでしょうか?当初ベルトはプーリーの溝から数ミリはみ出しており、3か月間の間に削れてプーリーの外周にピッタリ収まっている様です。アドバイスありましたら、よろしくお願いします。
ご使用条件が不明ですので,一般的に発生する摩耗(削れ)の原因について,回答させていただきます.いずれのベルトメーカのVベルトを使用されても同様ですが,ラップドベルトの場合,使用中にベルトがプーリになじみ,ベルト背面部がプーリの内周側に入ることはあります.従って,まずベルトの張力(ベルトを取付けた際の張力)が適正であるかどうかの確認をしてください.Vベルトは,使用時間とともに張力が低下しますので,定期的に張力の張り直しが必要です.張力が低い状態のままでご使用になるとベルトが過度にスリップし,大きく摩耗することにより,ベルト側面のゴムが露出してしまうことがあります.また,ベルトのタイプや本数が適正でない場合も過負荷により,同様の現象が発生することがあります.
さらに,文献(1)に示されているように,不適切な張力設定以外にVベルトの摩耗には次のような要因が考えられますので,チェックいただければと思います.

  • ダスト環境での使用(ベルトとプーリの間にダストが介在すると研磨剤のようになりベルト・プーリの摩耗を促進させることがあります)
  • プーリ溝の錆
  • プーリ溝の表面粗さ精度
  • 負荷変動や衝撃負荷による伝達動力不足
  • プーリ組立時のミスアライメント
  • プーリ取付軸の平行度,プーリの偏心

初期張力,伝達動力,使用条件などついては,メーカのカタログでご確認ください.しかし,今回のようなVベルト側面の「削れ」のような摩耗は,ベルトメーカとしては設計上想定外の損傷であり,異常な使用条件が原因になっていると思われます.ベルトに摩耗が目視されるようになった時点でベルトを交換していただき,上記事項をチェックした上で,ベルトをご使用ください.上記事項をチェックいただいても問題が解決しない場合は,ご使用条件を添えてベルトメーカにご相談ください.

参考文献

  • ベルト伝動技術懇話会編,新版 ベルト伝動・精密搬送の実用設計,2006年8月養賢堂発行,pp. 74-77.
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