ベルトの曲げ応力を求める時の弾性係数は何を使えば良いですか?
「ベルト電動·精密搬送の実用設計」書籍のP.30を見ると、ベルトの曲げ応力を求める公式(式2.35、曲げ応力=Exh/D)が出てきます。 この公式のうち、ベルトの弾性係数である「E」の詳細がないのですが、その係数はどのように求めればよいでしょうか。
ご質問頂いた曲げ応力の算出式について,その適用にはいくつかの前提条件がございます.

①ベルトは(主に)単一素材で構成されている

②心線等を有する場合,それらはベルトの中立軸に存在する

③ベルト素材は等方弾性体である

以上の前提において,ベルトの曲げ応力は,所謂,初等はりの理論に基づき計算可能となります.

この場合,弾性係数Eについては,ベルト素材(例えばゴム)の弾性率を使用すれば問題ありません.

但し,一般的にゴムは超弾性体に分類されますので,等方弾性体の指標である弾性率を使用する場合,幾つか注意する必要があります.

ゴムの場合,負荷するひずみの大きさによって,弾性勾配が変化する場合がありますので,正確な曲げ応力を見積もりたい場合,例えば,ベルトの巻き付き曲率と等しいひずみ近辺での弾性勾配を使用する等の工夫が必要になります.

また,曲げの圧縮側(ベルトの場合,プーリと接触する側)において,ゴムの非圧縮性に起因して曲げ応力も変化する場合があります.

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