2017年ゴムベルト需要予測 ほぼ前年並みの見込み

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掲載情報:2017/01/16発行 第3431号10面


2016年のベルト業界を取巻く環境は、自動車産業向けの伝動ベルトが、自動車のハイブリッド化や海外生産の増加によって国内需要が減少していることに加え、中国をはじめとする鉱物資源需要の減少で、コンベヤの輸出が前年比で大幅に減少している。
そうした環境の中で、日本ベルト工業会が発表した16年度の生産量は、ゴムベルト全体では2万6444t(前年比93%)で、内需は1万9777t(同95%)、輸出は6667t(同88%)の見込みとなり、結果としてゴムベルト全体の生産量は、2年連続で3万tの大台を割る厳しい見込みとなった。
同工業会による17年度のゴムベルト需要予測では、生産量を2万6339t(同100%)を見込んでいる。内訳は内需が1万9653t(同99%)、輸出が6685t(同100%)。内需は前年比微減の見込みだが、輸出は円安傾向となっている状況を踏まえ前年並みと推定している。
品目別に見ると、コンベヤベルトの16年度の生産量は1万4919t(同89%)の見込みで、内訳は内需が9744t(同91%)、輸出が5175t(同85%)。内需は、粗鋼生産が中国等の安値鋼材の影響を受けて振るわず、輸出は資源国需要の減少により大幅減の見込み。 コンベヤベルトの17年度の需要予測は、1万4860t(同100%)の予想。内訳は内需が9692t(同100%)、輸出が5168t(同100%)。内需は今年並みと予測し、期待されているオリンピック需要は再来年以降と考えられる。輸出は、資源大手企業の在庫調整等は一段落したとみられるものの、需要が回復しておらず、来年下期以降も厳しいものがあると捉えている。今後の動向を一段と注意深く見ていく必要がある。
伝動ベルトの16年度の生産量は1万1525t(同99%)の見込みで、内訳は内需が1万33t(同99%)、輸出が1492t(同100%)。内需は、特に需要の半分を占める自動車向けが、海外への生産シフトやハイブリッド車の増産などで減少傾向にあり、若干前年割れになる見込み。輸出は、円安にも拘わらず海外への生産シフトが進んだことが影響し、前年並みと見込んでいる。
伝動ベルトの17年度の需要予測は、1万1478t(同100%)の予想。内訳は内需が9961t(同99%)、輸出が1517t(同102%)。内需は、自動車向けが今年度と同様の傾向にあり、微減と推測した。輸出は、ほぼ横這いの微増と見込んでいる。