高付加価値な製品で需要獲得目指すニッタ

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掲載情報:2015/08/10発行 4面


ニッタ㈱(大阪市浪速区、新田元庸社長)の2014年度のベルト事業の実績は、対前期比で若干の売上増となった。物流・食品の各分野で特に目立った動きはなかったものの、地道な営業活動を積み重ねたことが売上増の要因と同社では見ている。物流ではベルトカーブコンベヤの需要が堅調だったという。  今年4月以降の需要動向はほぼ前年並みで、同社では通期でも横ばいを見込んでいるが、今期は中長期経営計画「V2020」の第2フェーズ(15年度~17年度)の初年度でもあり、売上増に向けて積極的に営業活動を行う構えだ。
同社は今年6月の「FOOMA JAPAN 2015」において、食品搬送用ベルトの新製品を出展した。「NITTA 150810-2
NLG」は、従来の耐湿熱、低収縮、耳ホツレ防止などの機能に加えて、耐次亜塩酸ナトリウム、物理収縮防止、抗菌、防カビなどの新機能を追加した製品である。また既存の「ニッタブルーベルト」にも耐次亜塩酸ナトリウム機能が追加された。これらの製品に対しては、FOOMA会場でも複数の企業から引合いがあったという。
中には即時サンプル出しを要請されたケースもあり、食品業界でのこうした機能に対するニーズの高さを示す形となった。食品分野では、これらの新製品の認知を高めることを目的に営業戦略を展開していく。 また物流分野では、既存のラインナップをさらに拡販する中で、改めてコンベヤセットメーカー等の顧客から価格や機能などに対するニーズを聞き出し、より効果的な営業展開を行っていく方針だ。 国内市場での厳しい状況の中、同社では、新たな業界への参入も視野に入れている。 今年6月には「日本ものづくりワールド2015」内で開催された展示会「医療機器開発・製造展」に出展。抗菌・防カビのブルーベルトや搬送用樹脂ベルトNLGを紹介したほか、医療分野用チューブに関する技術提案を行った。同社では、「医療機器市場は、国内では希少な成長分野として期待できる」(加藤泰弘工業資材事業部ベルト事業グループ営業部長)と見て、今後もアプローチを続けていきたいとしている。  4月以降、こうした大きな展示会への出展が続いたが、同社ではプライベート展示会も重視し、「ユーザーや代理店にこちらから出向いて説明させていただくという形をとっている」(加藤部長)という。このような小規模のプライベート展示会や勉強会を重ねて代理店とより良い連携を築くことにより、販売を強化していくとしている。