袴田ベルト工業エンドレス加工で独自技術

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掲載情報:2014/07/28発行 5面


1407-5袴田ベルト工業(名古屋市南区、袴田雅彦社長)は、1965年の創業以来、コンベヤゴムベルトのエンドレス加工を中心に、質の高い製品を手掛けてきた。  最近は、ベルト加工で培ってきた技術を基に、建築や介護・福祉関係の製品も開発するようになっている。  同社のベルト加工事業は、現地エンドレス加工からリサイクル加工まで、ベルト加工の全般に関わっている。  このうち現地ベルト加工では、技術が高いメンバーが顧客の現場を訪れ、コンベヤベルト・樹脂ベルトのエンドレス加工を施す。  成形加工では、搬送用ベルトに欠かせない桟(サン)焼付加工を行う。磁選機用横桟から中寄桟まで、あらゆる用途の使用に対応するため、顧客の要望に応じて金型製作から一貫して自社で行っている。
ショットコン加工は、エンドレスベルトの全面に、独自の穴開け加工機を使ってショットコンベヤベルトを製作するものだ。同社では常時ショットコン用ベルトの在庫を持っており、顧客へ安定供給する体制を整えている。  ベルトリサイクル加工にでは、古くなったベルトに特殊加工を施し、再生させている。  このように、同社ではコンベヤベルト加工プロセスで独自の技術を数多く持っているが、今後、国内のコンベヤベルト市場に関しては、それほどの成長を見込むことができない。そこで同社は、長年に渡り培った技術を他の分野へ応用することにした。  その1つが建築分野である。昨年6月に建築部を新設し、門扉や柵、ソーラーパネルの基礎などのエクステリア関係の製品の加工販売を開始した。  「畑違いの分野だと思われるかもしれないが、建築関係でゴムを使うところはたくさんある。現在も建築ブームが続いているし、消費税が10%に上がれば、その前に駆け込み需要があるだろう」と袴田社長は新分野への期待を述べている。  また、高齢化社会を睨んでの製品開発も行っており、抗菌剤を入れたノースリップマットを開発中で、介護・福祉施設などでの利用を想定している。  さらに「単にモノを作るだけではいけない」(袴田社長)という観点から営業部を設け、営業の強化も図っている。その一環として、抗菌・消臭剤、救命器具・用具などの販売も行っている。 同社は来年50周年を迎えるのを機に、名古屋工場を閉鎖・移転することにした。新工場では設備などを拡充し、一般市場で必要とされるオリジナルなゴム製品を開発していく方針だ。