搬送ベルト特集 ニッタ

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掲載情報:2014/10/25発行 5,6面


上期のNLGの売上は前年同期比では1桁台の増加となった。業界全体の需要が、もう少し上がるかなと期待していたが、高く設定していた目標には今一つ到達しなかった」と概況を語る、ニッタ工業資材事業部ベルト事業グループ営業部長の加藤泰弘氏。  「搬送用の主要な需要先は、食品と物流分野が約6割を占める。当社は、カーブコンベヤやアミューズ分野などのニッチな分野では強みを発揮できていると思うが、メーンの食品・物流の汎用の分野では、まだまだ伸び代があるはずだ」と話す。  そこで投入する新製品が、食品・一般搬送用途向けの3タイプ。一般食品用には、耐湿熱、抗菌・防カビ、低収縮、そして、特に食品業界からニーズの高い、耐次亜塩素酸性を更にアップさせたブルーベルトを開発した。
1410-01 またもち米等の粘着物搬送用に、フッ素樹脂コーティングの耐湿熱、抗菌・防カビ、低収縮、非粘着性のNLGも投入した。更に特殊用途では、鋼板搬送用に耐油性をアップさせた塩ビを使い、耐カット性、重量物搬送に適した厚物タイプ(3プライ)もラインナップ。  このほか、コンベヤ表面の汚れの拭き取り易さを追求した、新しい構成の搬送ベルトの開発にも注力している。  同社は精密搬送や高速搬送の分野では、スーパーエンドレスベルトが、ATMや銀行の行内機器で高いシェアを誇る。また紙工関係、アミューズではポリベルトが様々な用途で使用されている。そして、紙おむつ等の衛生材料製造ラインでは、タイミングベルトが同期搬送用に使用されている。
「NLGの通期見通しは、上期と同様に前年比では1桁台の増加と見ている。通販の物流センターへの投資意欲は今後も旺盛、食品加工業界も堅調さが予想される。そうした状況下、当社では、ATP拭き取り検査キット等の新製品と共にニッタスクールで商社の方々に説明し、食の安全に向けて新たな切り口でのアプローチによる拡大も図っていきたい」と語った。