各社の動向 中興ベルト

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掲載情報:2014/06/25発行 7面


140625-9大きな伸びはないものの、堅調な推移をみせている」と市場動向を語るのは中興ベルトの今里英雄社長。「消費税の増税の影響で、3月は動きが大きく、その反動が懸念されたがそれほどの落ち込みもなく、堅調な推移となっている。食品関係の需要が好調だ」という。今里社長は「もうフッ素樹脂ベルトも汎用製品に近くなり、成熟してきている。先行しているマーケットは、シュリンクしてくるのは否めない。製品のライフサイクルではなく、マーケットサイクルとでもいうべき考え方でのアプローチが重要だ。
そのために、これからはベルト単体にとどまらず、周辺製品についても展開を図るため、新分野についてリサーチを行っている。ただ開発については、フッ素樹脂という狭い範囲での取り組みはまずまずやれていると思うが、新しいチャレンジをやるためには、これまでの意識を変えていかないとだめ。海外での販売拡大もその一つ」と話す。 同社の注力商品の内の一つに、ゴム基材にフッ素樹脂PFAフィルムを接着し、ゴムの強度、柔軟性にフッ素樹脂の特性を付与した「Rタイプベルト」がある。これは、食品製造・搬送工程、ゴムや樹脂等の製造搬送工程、カットシート等の用途を想定して開発された製品。ゴム基材にはNBR、IIR、CR、ACMの4タイプがあり、使用可能温度は-20℃~+180℃。各タイプの特長は次の通り。  ▽NBRタイプ=耐熱性、耐油性といった特性を持つ白色のゴム基材。器具・容器包装の規格基準(昭和34年厚生省告示第370号)に適合しており、食品搬送用途に安心して使用できる▽IIRタイプ=最高使用温度150℃のブチルゴムをベースとして、各フッ素樹脂表面材(PFAフィルム、PTFEフィルム、Gタイプファブリック)との組み合わせが選択可能。耐熱性、耐酸性、耐アルカリ性といった特性を兼備▽CRタイプ=耐熱性、耐油性、耐オゾン性等バランスのとれた特性を持ち、主に高温下でのゴム、樹脂搬送用途に使用される▽ACMタイプ=Rタイプベルト中、最高の耐熱性(最高使用温度180℃)を誇る。表面フッ素樹脂の耐熱性、非粘着性を生かし過酷な条件下で使用される。