伝動ベルト特集 ~三ツ星ベルト~

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掲載情報:2014/09/05発行 6面


三ツ星ベルト産業資材営業第1事業部次長の熊田隆文氏は、「国内の一般産業用ベルトは第1四半期の業績は、V、歯付とも堅調に推移している。特にウェッジベルトの5V、8Vタイプが大型産業機械用に好調だった。歯付も射出成形機向け、ロボット向けが好調だ。OA機器用は、円安の傾向から海外生産移管の流れが鈍化しつつあり、国内調達の動きもあって、小型の歯付は久々に2桁増となった」と話す。このため、同社の四国工場、綾部事業所は、繁忙が続いているようだ。  消費税率アップによる影響は、「ほぼ予想の範囲内で、それほど落ち込まなかった」とのこと。ただ通期の見通しは、「はっきりとは読めない。希望的観測だが、10月以降も景気がこのままの流れで動いていってくれれば、と考えている。通期の売上高は1桁台の増加を見込んでいる」と手堅い。
同社では、一般産業用途全般が、一部で国内回帰の兆しはあるものの、まだまだグローバル化の波にさらされている中で、「国内マーケットでは、基本的に補修市場に注力している。そしてこれまで以上にターゲットを絞りニッチ市場での専用ベルトを市場に投入することによって、新たな需要も喚起していきたい」と話す。ここ数年、同社はこうしたコンセプトに基づき、様々な分野での専用ベルトを積極的に提案し、市場の掘り起こしを進めている。  2012年には、農機用Vベルトの最高峰「スーパーAG‐X」を上市。これは新開発のカバー布とV芯ゴムを採用し、耐摩耗性・耐衝撃性を向上させ、従来品比で1・6倍の耐久性を実現。農業機械の大型化に対応した。  発電機や空調設備用には、節電効果を従来比2倍に向上させた省エネVベルト「ウルトラe‐パワー」もラインナップされている。  「これらの製品も、着実に市場に浸透してきている」と語った。