三ツ星ベルト,専用ベルトの開発推進

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掲載情報:2014/03/25発行 5面


「国内の一般産業用ベルトのマーケットは、グローバル化により縮小化の傾向は否めない。そうした中で、ニッチではあるが専用のベルトをタイムリーに開発し、提供することで、需要の掘り起こしを進めていく」と話すのは、三ツ星ベルト産業資材営業第1事業部次長の熊田隆文氏。同社では、3年ほど前からこうしたコンセプトに基づいて、様々な分野での専用ベルトを積極的に提案し、市場の掘り起こしを進めている。
1404-32012年に農機用Vベルトの最高峰「スーパーAG‐X」を開発。これは新開発のカバー布とV芯ゴムを採用し、耐摩耗性・耐衝撃性を向上させ、従来品比で1・6倍の耐久性を実現。農業機械の大型化に対応した。
また昨年8月には、省エネVベルトの「e‐パワーシリーズ」に、クリーンルーム用送風機向けの省エネベルト「e‐パワーα」をラインナップ。表面に特殊処理を施した白色の帆布カバーを採用し、ゴム粉の発生を従来品比で10分の1に抑えた。そのため精密機器等を取り扱う特殊環境下で、空調設備の高性能フィルターの交換回数削減が可能。コグ形状の採用でベルトの屈曲性も向上させた。節電効果及び寿命は「e‐パワーVベルト」と同等だ。現在、実機評価が進んでおり「反応は上々」とのこと。更に、除雪機専用の「スノーX」も、従来は他のベルトで代用されていた分野に、専用ベルトを提供することで、より分かりやすく、売りやすい商材を提供している。こうした細かなニーズへの対応は、営業に関わる情報力、開発力のスピードアップ、製造面での素早い対応が、一つになって生み出されている。
熊田氏は「一つ一つの新製品の市場規模は小さいが、新製品の付加価値、そして一番大きなのは、活発な新製品投入により、当社のイメージアップを図ることができる点」と言う。コンスタントに新製品を投入し、市場の喚起を図る同社の今後の動静が注目される。