三ツ星ベルト食品搬送用2製品を上市へ

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掲載情報:2014/07/28発行 4面


三ツ星ベルト(神戸市長田区、垣内一社長)の搬送ベルト部門は、食品・食品機械分野と物流分野を中心に幅広く事業展開している。  搬送ベルト部門の13年度の実績は、プラントなどの大型案件がなかったにも関わらず、前年同期比2ケタに近い売上増を記録した。同社産業資材営業第3事業部佐々木孝部長は「製品が広く認知され、需要の底上げができた」と評価している。  同社の搬送ベルトの販売割合は、食品分野が約4割、物流分野が約3割。その中で、物流に区分けされる標準コンベヤで食品用途に使われる場合があるなど、実質的に食品向けは全体の5割を超えるとのことだ。  同社は一昨年、搬送用樹脂ベルトの新ブランド「Tailorbert(テーラーベルト)」を立ち上げた。  「一品一品の機能にこだわり、まるで『服の仕立てのように手作り感がある心のこもったものづくりが、我々の哲学」(佐々木部長)であり、その精神を社員一人ひとりに行き渡らせるために「テーラーベルト」と名づけたという。  その注力商品に「ブルーベルト」シリーズがある。特殊な色づけ方法で色移りせず、検品する商品と抜群のコントラストがあり、現場での評価が高い。現在、素材や機能を組み合わせた12品種をラインナップしている。  14年度の業績予想としては、新規顧客の開拓に努めるとともに、新開発製品を起爆剤としながら前年並みプラスαの売上を目指すとしている。  同社は今年、食品搬送用新製品として、「フッ素コーティングベルト」と「バイオマスベルト」を開発した。「フッ素コーティングベルト」はベルト表面に耐熱性・離型性に優れたフッ素樹脂を採用し、炊き立てのご飯など高温で粘着性のある搬送物が付着しにくい。「バイオマスベルト」は、生物由来の有機性資源を使用しており、バイオマス度66%(従来品の1・5倍)を実現した。 「新製品開発はメーカーの命。お客様の『どうにかならないか』の声を吸い上げ、いかに開発につなげるかがポイント」(佐々木部長)という。  今後の戦略として、物流分野ではスピードアップ化、複合化に対応できるシステム、ベルトの仕様を常に心がける。  食品加工分野においては、より高機能な製品を市場から求められることに対し、きちんと追随していくことが大切となる。  「現在はベルトが使われていない場所でも、新しい機能を持たせることでベルトに置き換え可能な余地がまだある」(佐々木部長)と見ており、営業強化と製品開発に努めたいとしている。  また、同社の樹脂製コンベヤベルトの加工訓練学校「NSアカデミー」で、代理店や加工業者のスタッフ教育に活用することにより、製品の販売を加工面で支援している。