バンドー化学 ゴムコンベアは国内堅調

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掲載情報:2015/02/15発行 4,5面


バンドー化学の搬送ベルト事業の現況は、ゴムコンベヤは、国内では鉄鋼向けが堅調で、特に耐摩耗・耐熱性ベルトが伸長した。関東ではインフラ需要に伴いセメント関連でも補修需要が伸長し、前年比で10%以上増加した。一方で、海外については、資源開発用は良くなってきたが、セメント向け、電力向けの需要が減少し、プロジェクトのずれ込みが重なったことなどで2割ほど減少した。海外での減少を国内でカバーし、今期のゴムコンベヤ全体の業績は前年比2%~3%増で推移する模様。 海外については、「マイニングでは、特に豪州のボーキサイト向けが好調。この他にも鉄鉱石、ニッケル等のレアアース関連が堅調。石炭向けは、石炭価格の低迷により、インドネシア、アメリカが足踏み状態で、現在、動向を注視しているところ」と話す。  また、今後の見込みについては、「レアアース関連の伸びが期待され、セメントや電力向けも、2015年末のASEAN経済共同体発足に向け、インフラ需要の急激な伸びに伴い加速していくことが予想される。エリアもベトナム、ミャンマーなど広範囲にわたるため、工業団地の整備等で今後の需要増が期待される」としている。  内需見通しは「3月末まではほぼ現状での推移と見ている。15年度は前年度並みを予想している。プロジェクトは動き始めているが、セメント、砕石、鉄鋼など、いずれも関東以東が中心となっている」とのこと。来期トータルでは、海外が2桁増、国内が前期並みで10%前後の増加を見込んでいる。  また急傾斜コンベヤは、前年にスポット需要があり、対前年比では減少しているが、取り換え需要は前年並みで推移しており、実績を持っているバイオマス関連に期待。「現状では小型物件が多いが、大型物件の計画があり、注力していく」と。  樹脂ベルトは、今期は横ばいで推移する模様。通販関連の物流センター増設で物流分野は堅調。一方、食品用は国内では大きな伸びが見られなかった。しかし、食の安全に注目が集まる中で、中国では日本製、欧州製、米国製の指名買いが増加し、中国製品からの切り替えが増えてきている。農業関連も政府からの支援制度が復活し、活発な需要が見られる。来期は、国内は2%~3%の伸び、輸出は9%~10%増で、合計では5%~6%増を見込んでいる。  「物流センターの設備投資は来期も続くと見ている。それもグローバル規模で展開が続くだろう。空港関連では、中国東方航空が各省での空港整備を進めており、ハブ空港でも上海や広州での拡張が進んでくるため、カーブコンベヤやコレクティングでの需要が見込まれる」と話す。  同社は現在、中国・上海でサンライン加工事業を開始しており、16年には3億円以上の売上高を目指す、としている。  現在の樹脂コンの内需と輸出との比率は85:15。これを「16年以降は0・5%ずつ海外比率を拡大していく」計画だ。