ニッタ国内搬送分野に積極拡販

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掲載情報:2014/07/28発行 4面


「発明・改良・円満」という創業者の理念のもと、ニッタ(大阪市浪速区、新田元庸社長)は幅広く事業展開を行っている。  13年度の樹脂搬送ベルトの実績では、売上は対前期比で微増となった。上半期は食品向けが伸びなかったが、下半期の好調により増収を確保した。  樹脂搬送ベルト事業においては、全体の35%を食品・食品機械向けが占めている。食品搬送用途の主力「WEUシリーズ」は、熱水洗浄への対応(耐湿熱性、低収縮性)、抗菌・防カビ性、耳ホツレ防止など食品搬送用途に要求される全ての性能を有し、発売以来高い評価を得ている。  同社は先ごろ、東京ビッグサイトで開催された「FOOMA JAPAN 2014」(国際食品工業展)に食品搬送用ベルトを中心に展示を行った。この展示会は食品業界から求められている機能を再確認し、マーケットの要求に合った製品を開発するための貴重な情報収集の場である。1407-3
同社はその他、クリーンエンジニアリング事業部が販売する大腸菌群が6時間で検出できる検査キット「マイクロ・スナップ」や、ゲイツ・ユニッタ・アジアのタイミングベルト用アタッチメント「はめぱっちん」を紹介した。同社では、こうした特徴ある製品と一緒に顧客へ提案することで、ベルト本体の拡販にもつなげたいとしている。  「食品分野は、用途別にきめ細かなニーズに合った製品開発が求められる。一方で汎用品にも力を入れ、特定用途と二本立てで進めていく」(同社)とのこと。 一方、物流分野に関しては、同社の注力商品である「カーブコンベヤ」を中心に展開している。今後もインターネット販売の伸長などを背景に大規模物流施設の需要は伸びると考えられ、同社はカーブコンベヤ周辺の関連製品や特定用途のコンベヤを中心に、拡販を図る方針だ。
そうした拡販により、14年度は前期比2ケタの売上増を見込んでいる。  今後の戦略としては、同社が強みを持つ分野の特定ユーザー、特定OEM向けに新製品を提供するため、開発を一層強化していく。  また、食品搬送用市場で求められる耐次亜塩素酸や低収縮などの性能をより進化させ、汎用性のある高機能ベルトの開発も目指す。  さらに、エンドレス体制、加工体制など二次サービスの充実にも努める方針だ。  同社は「食品搬送分野、物流分野どちらも、国内でまだ根強い需要があり成長していく余地がある」と見ており、伸長する需要を確実に捉えたいとしている。